2016 年 4 月 21 日 ビジネス文書における考察の件

お得意様各位

 

謹啓 春暖の候、皆様におかれましては、
益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、来る◯月◯日を持ちまして、
弊社株式会社◯◯は創業五周年を迎えることになりました。
これもひとえに皆様方のご指導ご鞭撻の賜物でございます。
さて、五周年を迎えるにあたり、弊社では新商品の開発に・・・

 

 

 

いかん!
これ以上書いたら、読んでもらえなくなる。
というわけで、下手なビジネス文書はこのくらいにしておきます。

 

 

「下手なビジネス文書」と書きましたが、
ビジネス文書は上手だろうが下手だろうが、
問題ありません。

 

なぜなら、
ビジネス文書なんて
大して読まれていませんから。

 

そして、
これほど人の心を動かさない文書は
他にありませんから。

 

 

にもかかわらず、
「新商品ができたからお得意様にDMを出そう!」
と言って、
封筒の中にこのビジネス文書を(ご丁寧に)
一番上にして入れている会社はあとをたちません。

 

なぜ入れているかと言えば、
「カドが立たないから」。

 

はいぃ?
カドがないものがどうやって刺さるんですか?

 

しかも、かどをたたせたくない割には
自分の都合ばかり並べ立てているのが
ビジネス文書です。

 

 

最初の文章を読んでみて下さい。

 

終止自分の都合でしょ?

 

読み手にメリットを提示してるでしょうか?
読み手の問題解決を提案しているでしょうか?

 

 

新商品の案内をする以上、
これは「コピー」です。
その観点から見ると、
たったこれだけの文章にもかかわらず、
NGを連発しています。

 

「各位」・・・そんな人いません
「皆様」・・・そんな人いません
「時候の挨拶」・・・そうですけど何か?
「自慢」・・・興味ありません
「自己都合の商品プレゼン」・・・興味ありません

 

そもそも、
普段使わない言葉をこんなに羅列されたら、
全く入ってきません。

 

 

電話会社とかカード会社から
よくこんなDMが届きますが、
「逆にふざけてるのかな?」
とすら思ってしまいます。

 

 

「林よ、ストイックすぎやしないか?」
「そんなの気にしなけりゃいいじゃん」
と思いますか?

 

 

では、
あなたがお金をかけて出したDMが
気にも留められなかったら
「気にしなけりゃいいじゃん」
で済みますか?

 

済みませんよね?

 

 

大企業だろうが零細企業だろうが、
大枚をはたいて、まろやかなメッセージを
まき散らしてる余裕はどこにもないはずです。

 

 

最後になりましたが、
今後の皆様の事業のご発展を心よりお祈り申し上げて、
ご挨拶に代えさせて戴きます。

 

敬具