2015 年 12 月 3 日 強い名前。弱い名前。

私の知人で、

コンサルタントをされている傍ら、

持ち前の美声を活かして、
ナレーターの仕事もされている
社長さんがいらっしゃいます。
(おっちゃんですけど)

 

企業案内DVDのナレーションや、
通販のインフォマーシャル、
ラジオのDJなど、
シブくツヤのある声で活躍されています。

 

その方からある日、
「人に何かを伝えるときに、

どの言葉を強調するべきか?」
について興味深いお話しを伺いました。

 

例えば、
「これは とっても 美味しい リンゴです」
という文章があります。

 

リンゴの美味しさを相手に伝えるためには、
どの言葉を強調すればいいか分かりますか?

 

ほとんどの人が

「とっても」か「美味しい」を選び、
「とっっっても」「おいし~~い」と強調したがるんですが、
実はこれは間違いなのだとか。

 

強調するべき言葉は「リンゴです」の部分。

 

声に出すときは、
直前で一拍あけ、子音を意識してゆっくり力強く

「リンゴです」

 

 

なぜか?

 

 

実は、
「とっても」や「美味しい」という言葉には、
意味がないからです。

 

意味がないと言ったら語弊がありそうですが、
これらの言葉は「リンゴ」という存在があって
初めて成立する言葉です。

 

誰がなんと言おうが「リンゴ」が主役であって、
「リンゴ」がしっかり伝わらなければ、
この文章自体成立しません。

 

つまり、最も強調するべき言葉は「名詞」。

 

ちなみに副詞や形容詞を強調すると
いわゆる「あおり」になり、
強調するほど胡散臭くなっていきます。

 

 

ネーミングが大事

 

と言われるのも、これとよく似ています。

 

その社長さんがコンサルで企業のお手伝いをする時、
「これ、商品名かえられます?」
としばしば質問するそうです。

 

ひとつには、
仕入販売する際、同一商品を違う販売店が扱うと、
価格を自由にコントロールできない
という理由があります。

 

全く同じ銘柄のシャンプーが
A店では500円、B店では2,000円なんてことは
常識的にあり得ませんよね?

 

ターゲットや価格を再設定するには、
ネーミングの変更はかなり重要になるとのこと。

 

でもネーミング変更の一番の理由は、
名前の強さ
が欲しいから。

 

シャンプーの例を引きずりますが、

A.ウルトラボーテ
B.シルキーシャイニー

という、
中身は同じで、
名前だけが違う二つのシャンプーがあるとします。

 

どっちが売れると思いますか?
また、どっちが売りやすいでしょうか?

 

Aの方は名前を見ただけでは情報が足りません。
「絹のように輝く髪をウルトラボーテで・・・」
と説明する必要があります。

 

一方Bの方は、
名前の時点で「絹」「輝き」といった

具体的なイメージが伝わります。

余計な説明は必要ありません。

 

名前の強さとはこういうことです。

 

そして、
広告媒体は秒数や文字数など、
枠が限られています。

 

強い名前なら、
余計な説明をしなくても、
商品名を言うだけでプレゼン効果が期待できます。

 

ネーミングは、あなたが思っている以上に重要です。

 

大企業が、

ビックリするような賞金・副賞付きの

コンペをするのには、
それなりの見返りを見越してのことです。

 

 

もし今扱っている商品で、

イマイチ売れないものも、

意外と名前一つでヒット商品に

なるかもしれませんよ?

 

 

追伸.

 

 

ちなみに、
英語より日本語の方が、
短い言葉で多くの意味を伝えられることが多いようです。

 

例えば
「レザータイプ」より
「革張り調」の方が、
「革」を「張る」“職人技の一手間がかかっている”
という付加価値を暗に示すことができます。

 

ちょっとしたテクニックですが、
文字数にシビアなPPC広告なんかでは、
重宝するテクニックです。

 

革張り調「ふせんBOX」詳細はコチラ