2015 年 12 月 14 日 ついつい踏んじゃう罠
企業の売上を改善するための
コンサルタントをしている友人から聞いた話です。
ある日彼は、
ネットショップでブランドの洋服を扱われているお客様から、
「在庫を一掃したい」というご要望で、
提案を求められました。
・在庫は500点前後
・価格は大胆に設定してもいい
それほど難しそうな案件でもなさそうです。
「まずはサイトの視線誘導を抜本的に見直して、
ポイントを◯倍にして、
返品保証を付けて、PPC広告を打って・・・」
と、アレコレ1人で考えていたのだとか。
ただ、日頃ファッションに無頓着なため、
いまひとつ何が正解なのか分かりません。
見込み客が普段どういう思考経路で購買するのか?
何を言えば反応するのか?
そこで、見込み客に直接聞いてみることにしました。
その見込客は彼の友人で、
オシャレへの意識がたかく、
日頃からネットを駆使して
洋服や靴などを買われている
まさにドンピシャな人物。
そしてここで、
とんでもない間違いに
気付かされることになりました。
事情を説明するとスグに、
「売り尽くしセールでしょ?
500点ぐらいなら知り合いの知り合いぐらいまで告知して、
倉庫で即売イベントすればスグ終わるんじゃない?」
・・・お、おー
確かに!
商品は新品のブランド品で、
大幅な割引ができて、
しかも倉庫は交通アクセス抜群の福岡市内中心部。
サイトを改修しながら
アクセス解析しながら
長期にわたるネットキャンペーンを展開せずとも
済みそうなレベルの話です。
彼は、
「ネットで売らなきゃ!」
と勝手にルールを決めて、
思考範囲をイタズラにせばめ、
わざわざ難しく考えてしまっていました。
お客さんは、
「とにかく在庫をさばいてほしい」だけで、
ネットショップで売ることには
全くこだわっていませんでした。
コンサルをしている彼だけが、
その呪縛に取り憑かれていたのです。
でもこの話を聞いたときは、
「他人事じゃないぞ」
と思いました。
この罠は、
いつでもどこでも
口を開けています。
そして、
スペシャリストほど、
この罠によくハマります。
小器用で、どうにかこなせてしまう人。
そんな人は、そのつもりはなくても
自分を過信してしまいます。
これは知らず知らず陥るので、
なかなか気付けません。
重要なのは、
そんなことにならないよう、
常に「市場に問う」ということ。
今回のケースでは、
見込客に意見を求めたら、
ズバリ最善策(と思われるもの)が出てきましたが、
大抵もっとコマ切れなアイデアのタネが
ポロポロとこぼれ落ちてきます。
それらはまるで、
暗闇の川に落ちた光の玉のように、
正しい流れへと導いてくれます。
だからこそ、
どんなに勉強して、
どんなにスキルを身につけ、
どんなに実績を積み重ねても、
市場の声には謙虚でなくてはいけません。
お互い、肝に銘じましょう。
追伸.
今年も気がつけばあと2週間。
早ぇーですね〜。。。
やり残しのないよう、
今年の仕事はキッチリ終わらせて、
いい年を迎えましょう!